2016年9月18日日曜日

6 pole Crystal filter 

今まで、G3UUR回路で水晶発振子分類のみ行っていたが、パラメータを求めるプログラムを探した所、フィルタのシュミレーションまで出来るDishal203が見つかった。G3UUR methodによる水晶発振子パラメータをDishal203を使って求め、6poleクリスタルフィルタを作った。水晶の選別とDishal203へのパラメータを正しく入力すれば、無調整で計算値に近似した特性が得られる事が判った。
 

switch ON(F1)、switch off(F2)を以降の説明で表す事とする。 この回路で注意すべき点は、33pFを使うが実装前にコンデンサ容量を実測(小数点第一位までの読み取り精度が必要)の事。製作したチェッカーは、実測値35.2pFであった。(470pFは、測定の必要なし)コンデンサの測定は、単体で行う事。Webの記事で基板などに実装時の容量と記した記事も見受けられるが、実装時の容量をCswとして入力すると、帯域巾が目標値より狭くなる傾向がある。 

G3UUR methodによる水晶発振子チェッカー製作例。電源電圧9V(006P)で使っている。


水晶発振子チェッカーに周波数カウンタ(最少分解能1Hz程度)を繋ぎ、switch F1側(ON)とswitch F2側(off)の周波数を1Hz単位まで読み取る。更に、水晶発振子の容量を0.1pF単位まで読み取る。水晶発振子の選別は、F1周波数を許容差30Hz以内(目標帯域巾の1/100位)、1グループに纏める。許容差100Hzで選別などの記事もあるが、無調整では上手く出来ないであろう。また、許容差100Hzを超えるものは、選外とした方が良い。
 

Csw値(33pF単体で測定した値)、水晶発振子の静電容量(0.1pF単位まで必要)、F1(SW CLOSE)周波数、F2(SW OPEN)周波数を入力し、Calculateを選び演算する。(470pFは、そのまま入力する)この演算は、6個の水晶発振子全て行い、Lm(mH),Cm(fF),fs(kHz)を記録する。更に、6個のCp(pF),Lm(mH),Cm(fF),fs(kHz)平均値を求め、記録する。
 

Lm(mH),fs(kHz),Cp(pF)の各々の平均値を入力する。帯域巾B3db(kHz) 2.7、PB ripple(0..3db) 0.1,# of xtals(2..14) 6を各々入力する。各々の値を入力後、Calculateを選び演算する。また、フィルタ特性の数値データは、show Tableを選べば表示出来る。
 

FRMSによる実測スペクトル。計算したフィルタの入出力インピーダンスは、512.2Ωであった。FRMSの入出力インピーダンスが50Ωの為、2kΩのVR(約462Ω)をFRMS入出力に繋ぎ、抵抗マッチングさせた。抵抗による疑似マッチングにより、約10dBの損失がある。



フィルタ回路図。値は全て計算値。コンデンサは、実測し、合成容量で最大誤差0.3pF以内で実装。 

   基板サイズ 48 x 27